手抜き工事は許さない。

手抜きのない、職人の仕事を当たり前に。

18歳のとき、アルバイト感覚の軽い気持ちでこの世界に入った私でしたが、もともと絵を描くことが好きだったこともあって、塗装の世界にのめり込んでいくまでそれほど多くの時間は必要ありませんでした。

この仕事はまさに天職だと思いました。

来る日も来る日も一生懸命に仕事に励み、そしてそれが、すごく楽しかったことは今でもはっきりと憶えています。

それから色々な経験を積んで、いつしか現場を任されるようになった私には、一つだけ、 どうしても納得できないことがありました。

本来ならば塗料を2回塗るはずなのに1回で済ませてしまったり、サビ止めを塗るはずなのに塗らなかったり……。

いわゆる「手抜き工事」を親方に指示されていたのです。

当時、まだ若かった私は親方のやり方に反対してクビにされることが怖く、良心の呵責に苛まれながら仕事をしていました。

そうして仕事を続けるあいだに、職人として納得のできる仕事がしたいと思う気持ちは募っていきました。 そう決心した私は25歳で独立。理想を掲げて意気揚々と厳しいビジネスの世界へと船を漕ぎ出したのです。

しかし、世の中はそう甘いものではありません。

当然のように独立後は苦しい時期を過ごしました。

この建築業界というのは、大手などの建築会社が請け負った仕事を大手の下請け企業に発注して、その下請け企業がさらに下請けに。

そしてさらにその下請けが……。

みなさんも「孫請け」という言葉など、お聞きになったことはないでしょうか。

お客様がお支払いになった代金が、実際施工をする業者に届くまでに随分と減ってしまう。

こんなことは決して少なくありません。

独立してから、この点も建築業界が抱える問題の一つだと感じました。

苦しい時期には、私に「手抜き工事」を指示していた親方がよく言っていた言葉を何度も思い出しました。

「予算がないから手抜きするのは仕方がない！」思い出すたび、それは違うとあらためて確認しました。

我々、サンエスは職人の集まりです。

職人とは誰に言われなくても『良い仕事がしたい』『納得できるものを作りたい』と常々考えています。

『良い仕事』はお客様に必ず満足をもたらしてくれます。

そして、その満足は新しいお客様との出会いの機会を与えてくれました。

我々は『良い仕事』を追及することで、苦しい時期を乗り越え、また今後も精進していきたいと考えています。

当社に限らず職人というものは、なかなかどうして口下手で、大手のリフォーム会社さんのように ＣＭなんかを上手くできるような人種ではないのかもしれませんが、職人特有のプライドを持って 「地域密着」「直接施工」「適正価格」の３つを掲げ、お客様に喜んでいただけるよう頑張る所存でございますので、何卒、宜しくお願い申し上げます。

代表　宮坂 啓司